|
 |

年老いた男と女
平日の地下鉄に乗る
指だけが忙しい女たち
気づいても 寝たふりの男
夢の中 街のまん中
電車は いつか地上に出てゆく
あんたが 目覚める瞬間(とき)を待とう
つり革に手の届かない妻
倒れないように ささえる夫
目を開けて しっかり見てみな
東京の風景も悪くない
風の中 街のまん中
電車は いつか地上に出てゆく
あんたにも いつか光があたるさ
すき間のない 夕暮れの電車
倒れない 都会の田舎者
疲れきって やっと座れたのは
多摩川を 渡ったこのあたり
人の中 街のまん中
電車は いつか「ふるさと」へゆく
あんたに 帰るところはあるかい?
電車は いつか地上に出てゆく
電車は いつか「ふるさと」へゆく
電車は いつか地上に出てゆく
あんたも いつか「ふるさと」へ
|
 |
|